まとめると
・相手損保に送ってしまった書類についても、要求すれば、コピーをもえらるのが一般的
・ただし、損保会社の担当者も人間である以上、書類紛失等のミスはあり得る
・書類は相手損保に送る前に、きちんとコピーをとっておくのが無難
相手損保に送った書類の写しは、要求すればもらえるのが一般的
交通事故の被害にあった際、加害者が任意保険に加入していれば、保険会社・共済が対応をしてくれるのが一般的でしょう(示談代行をしない共済等で、被害者本人が対応する場合もあります)。
加害者側の損保がどのような対応をするかはケースバイケースですが、治療費の内払い(病院に直接治療費を支払ってくれる)や休業損害の内払いを行うという対応をする保険会社が多いでしょう(被害者にも過失がある場合には、このような内払いをしないというケースもあります)。
治療費の内払いが行われる場合、病院が発行する経過診断書や診療報酬明細書は、病院から損保に直接送付されるのが一般的でしょう。
また、休業損害の内払いをしてもらうような場合には、休業損害証明書というものを勤務先に記入してもらって、これを保険会社に送って支払ってもらうという流れになるのが一般的ではないかと思われます。
このように、保険会社に送付されてしまった書類に関しては、保険会社側に要求すれば、写し(コピー)を送ってもらえるのが一般的です。そのため、これらの書類が必要な場合には、病院や勤務先から、再度書類を発行してもらう前に、相手損保に要求するのが経済的と考えられます。
書類を相手損保に送る前にコピー推奨
ただ、まれに、休業損害証明書等の送付済み書類について、保険会社が「そんな書類は受け取っていない」と言うことがあります。
保険会社側が書類を紛失したのではないか(もしくは、郵便事故)と疑われるケースですが、保険会社と、「書類は送ったはずだ」「いいや受け取っていない」などと言い争っても、あまり意味はありません。
保険会社がなくしてしまったのか、郵便事故が起こったのか、はたまた被害者が送ったと勘違いしてしまったのか分かりませんが、いずれにしろ、「ない」ものを「出せ」と言っても、どうしようもありません。
損害額に関しては、交通事故の被害者側で立証する必要がありますので、結局は、勤務先等に書類の再交付をお願いすることになるでしょう。
このようなリスクを踏まえると、相手損保に書類を送付する際には、念のため、コピーをとっておいたほうが無難でしょう。
相手損保が大企業だからと言って、まったくミスがないというものではない
損害保険会社は、誰でも知っているような大企業が多いです。
そのため、交通事故の被害者の方は、ついつい相手を信頼して、コピーをとらずに書類を送ってしまいがちです。
しかしながら、損害賠償の支払事務というのは人間が担当します。
人間である以上、完全にミスをしないというのは不可能です。
書類を紛失されるリスクがあることを予め念頭に置いた行動を心掛けたほうが良いでしょう。