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アウル東京法律事務所に所属する弁護士等のブログです。交通事故に関することや事務所全般のお知らせ等があります。

2014.12.09交通事故について軽微な交通事故でも、弁護士費用特約は使うべき? それとも温存すべき?


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弁護士費用特約とは


弁護士費用特約とは、交通事故の被害にあったときなどに、保険会社が弁護士費用の全部または一部を支払ってくれるという保険です。

交通事故の加害者になってしまったときは、このような特約がついていなくても、任意保険にさえ加入していれば、裁判になれば、保険会社がきちんと弁護士をつけてくれるでしょう。

これに対して、交通事故の被害者になってしまった場合、原則として自分で対応しなくてはいけません。

交通事故の被害者が弁護士に依頼するとなると、その費用も自分で支払わなくてはいけないのが原則です。

このようなとき、弁護士費用特約に加入していれば、弁護士費用の全部または一部を保険会社が支払ってくれるので、費用負担をあまり心配せず、弁護士に依頼できるというわけです。

ちなみに、弁護士費用特約は、自動車保険や火災保険に特約としてついているケースのほか、最近では、弁護士保険というものも登場したようです。


交通事故被害者が弁護士に依頼するメリット


弁護士費用特約利用の是非の前に、交通事故の被害者が弁護士に依頼するメリットについて簡単にふれます。

弁護士に依頼するメリットとしては、損害賠償金額の増額可能性という点が一番大きいのではないかと考えられます(他に交渉を弁護士に任せることができるので、手間が省ける等もあるでしょう)。


弁護士費用特約をあえて使わないことのメリット


弁護士に依頼することで、示談金の増額可能性という大きなメリットが期待できます(もちろん、絶対上がるというものではありません)。

弁護士に依頼するとなると、通常、弁護士費用がかかりますので、弁護士費用と弁護士に依頼した場合のメリットとを比較検討した上で、依頼するかどうかを決めるのが一般的でしょう。

ところが、弁護士費用特約を利用すれば、保険会社が弁護士費用の全部または一部を支払ってくれますので、弁護士費用の負担をあまり考えず、安心して依頼できるのではないでしょうか。

それでは、反対に、弁護士費用特約を使うことのデメリットはあるのでしょうか。

弁護士費用特約をあえて使わないということのメリットは、いささか考え難いです。

弁護士費用特約については、以下のような誤解をしているケースもありますので、若干解説していきます。


弁護士費用特約を使うと、翌年以降の保険料が上がる?

よくある誤解としては、弁護士費用特約を利用することによって、ノンフリート等級が上がり、翌年以降の保険料も上がってしまうというものが挙げられます。

自分の保険を使って自動車を修理したりすると、ノンフリート等級があがるので、それと一緒に考えてしまっているのでしょう。

しかしながら、弁護士費用特約の利用は、一般的にノーカウント事故として扱われていますので、利用しても翌年以降の保険料が上がるということはないでしょう(私も全ての保険会社の保険内容を把握しているわけではないので、不安がある方は、ご加入されている保険会社にきいてみてください)。


軽微な事故に弁護士費用特約を利用するのはもったいない?

交通事故の内容が軽微な場合には、この程度の事故で、弁護士費用特約を使うのはもったいない、と考えられる方もいらっしゃるでしょう。

しかしながら、弁護士費用特約の保険金については、1回の事故、被害者1名につき、いくら(自動車保険であれば300万円、火災保険であれば100万円が一般的でしょうか)と定められているのが一般的です。

今回の事故で弁護士費用特約を使わなかったからといって、使わなかった分が次回にキャリーオーバーされるというものでもありません。

そのため、約款の内容にもよりますが、軽微な事故だから、弁護士費用特約を利用するのはもったいない、ということはないのではないでしょうか。

むしろ、せっかく、弁護士費用特約をつけているのだから、使える時に使わないのは損とすら言い得るのではないでしょうか。

このように、弁護士費用特約は、軽微な事故でも(むしろ、損害賠償金額の伸びがあまり期待できない軽微な事故だからこそ)有効に利用できる保険であると考えられます。


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