まとめると
・交通事故証明書は、損害賠償請求をするために重要な情報がたくさん記載されている
・たとえば、加害者の住所や氏名が記載されているのが一般的
・加害車両の自賠責保険に関する情報も記載されているのが一般的
・ただ、弁護士に相談する際に必ず必要な資料とは言えないので、弁護士への相談はお早目に
(弁護士のスタンスにもよりますが、アウル東京法律事務所では、交通事故証明書がなくとも、相談をお受けしています)
交通事故証明書を作成してもらうためには
交通事故証明書は、交通事故の被害にあった際に取得できます。
しかしながら、交通事故の被害にあったら、何もしなくても自動的に作成されるものではありません。
警察からの情報提供に基づいて、自動車安全運転センターが作成・発行します(つまり、警察からの情報提供がないと作れません)。
そのため、交通事故の被害にあったら、できるだけ早く警察に届け出ることが必要です。
交通事故証明書の重要情報1~加害者の氏名や住所・連絡先が書いてある~
交通事故証明書には、交通事故の当事者の氏名や住所等が記載されます。
これは、損害賠償請求をする際には、非常に重要な情報です。
たとえば、加害者が損害賠償の対応をしないで、知らぬ存ぜぬを決め込んだとしましょう。
そういった場合には訴訟等をする必要が生じるでしょうが、どこの誰ともわからない相手に対して訴訟をすることはできません。
その人の住所や氏名を把握することが必要ですが、交通事故証明書には一般的にそれが記載されています。
(加害者の電話番号がわかれば弁護士会照会で調べることも可能ですが、一部、弁護士会照会を拒否する携帯電話会社もいますし、弁護士会照会は交通事故証明書取得以上の費用と時間がかかるのが一般的です)
そのため、交通事故証明書によって、無責任な加害者に対する責任追及をすることが容易になります。
交通事故証明書の重要情報2~自賠責保険の証明書番号等が書いてある~
交通事故証明書には、加害者の自賠責保険の会社名や証明書番号が書かれているのが一般的です。
交通事故の被害者は、人身事故であれば、自賠責保険から一定の損害賠償金を受け取ることができます。
しかしながら、自賠責保険の会社は一社だけではありません。
損保ジャパンかもしれませんし、東京海上日動かもしれませんし、あいおいニッセイ同和かもしれませんし、はたまた、それ以外の会社かもしれません。
加害者の車両が損保ジャパンの自賠責に加入しているにも関わらず、東京海上日動に請求をしても、「そんな人は知りません」などと言われてしまうでしょう。
そして、加害者の車両がどこの自賠責保険に加入しているかなどは、被害者には普通はわかりません。
しかしながら、交通事故証明書には、この自賠責保険に関する情報が記載されているのが一般的です。
そのため、スムーズに自賠責保険から補償を受けとることができるでしょう。
(もっとも、仮に加害者の自賠責保険会社や証明書番号を知っていても、自賠責保険に被害者請求をする際には、一般的に、交通事故証明書を提出するよう求められますので、これらの情報を知っていても、被害者請求をする際には、交通事故証明書の取得が必要になるでしょう)
交通事故証明書がない状態でも、早期に弁護士への相談をおすすめします
交通事故証明書は、このように、損害賠償請求をする際には重要な情報が記載されていますが、弁護士に相談をする際に必要かというと、私はそれほど重要視していません。
もちろん、後々には取得が必要になるでしょうが、損害賠償請求をするために重要な情報と適切な補償を受けるために重要な情報は違います。
交通事故証明書よりも、診断書や、もし相手損保から示談提示が出ているようであれば、免責証書などのほうが重要でしょう。
そのため、交通事故証明書を取得してから弁護士に相談しようというのではなく、まずは、弁護士に相談することをおすすめします。