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アウル東京法律事務所に所属する弁護士等のブログです。交通事故に関することや事務所全般のお知らせ等があります。

2015.03.12交通事故について相手方保険会社から治療の打切りを打診された場合の対応について


まとめると


・治療費が支払われるのは、完治するか、症状固定まで(原則)。

・症状固定がいつになるかはケースバイケース

・保険会社から治療の打切り(そろそろ症状固定ではないか等)を打診されることもあるが、伸ばせることもある

・治療の伸ばしすぎにはリスクもあるので注意


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はじめに、治療費はいつまで払われるべきかを確認しよう


交通事故の被害者は、加害者に対して、治療費を請求できます(過失相殺される場合には、治療費についても過失相殺されますので、全額というわけではありません)。

完治するようなケガであれば、完治するまで支払われるべきでしょう。

しかしながら、交通事故によるケガは、時として完治まではいかず、痛みやしびれをはじめとした症状が残ってしまう場合もあります。

このように、それ以上治療を続けても、症状がよくも悪くもならない状態に達することを症状固定といいます。

治療費は原則として、症状固定時まで支払われることになります(例外的に症状固定後の治療費が支払われるケースもありますが、相当性を立証する必要があるでしょう)。


いつが症状固定かはケースバイケース


症状固定がいつになるかというのは、ケースバイケースと言わざるを得ません。

経験上、頚椎捻挫や腰椎捻挫などのケースでは、6か月程度となることが多いと思われますが、やはり、一口に頚椎捻挫といっても症状が重い場合もあれば、軽い場合もあるので、ケースバイケースと言わざるを得ません。

困ったら、通院されている病院の医師に相談してみてはいかがでしょうか。


保険会社から治療の打切りを打診されるのが一般的


症状固定についてはケースバイケースですが、医師が症状固定と判断しない限り、相手方保険会社がずっと治療費を払い続けてくれるかというとそんなことはありません。

むしろ、相手方保険会社から、「そろそろ治療を打切りにして、示談の話をしませんか」などと持ち掛けられるケースのほうが多いでしょう。


治療を続けたいのに、打切りを打診されたらどうすれば良いか


ただ、保険会社としては、被害者が望んでいるのよりも早期に治療の打切りを打診してくることが多いのではないでしょうか。

治療が長くなれば長くなるほど、保険会社が負担しなければいけない損害賠償金額が増大するためです。

それでは、治療をもう少し続けたい、という場合はどう対応すれば良いのでしょうか。

完全な正解というものはありませんが、以下のような対応をおすすめすることがあります。


(1)症状固定かどうか、治療を継続すべきかについて医師と相談する

症状固定かどうかというのは、医学の素人である被害者には容易に判断はできないでしょう。

そのため、いま診てもらっている医師に相談するのが一つの手です。

医師が「改善可能性があるので、まだ治療を継続すべき」と言っているようであれば、その旨、相手方保険会社に伝えることによって、治療を継続できることがあります。


(2)医師から、相手損保に説明してもらう

医師に、直接、相手損保の担当者と話してもらう方法があります。

医学的な説明というのは被害者本人には困難でしょうし、また、医師がきちんと説明することにより説得力が増すとも考えられます。

ただ、全ての医師が、相手損保の担当者に治療の見込み等を説明してくれるかというと、そんなことはありません。

そういうのは医師の仕事の範疇ではない、とすげなく断られてしまうこともあるでしょう。


(3)せめて、いついつまで治療費を払ってもらえませんかと交渉する

相手損保が治療の打切りを打診してくる理由の一つとして、治療がいつまで続くか分からない(損害がどれだけ拡大するのかわからない)、という点もあるのではないでしょうか。

そのため、こちらから、「せめて4月末まで治療を続けさせてもらえませんか。それだけ治療してもらってダメなら、治療による改善はあきらめます」などと期限を切って申し向けるのも一つの方法です。

一か月か二か月程度であれば、保険会社としては、「まぁ、そのくらいなら良いか」として応じてくれる可能性もあります。


過剰診療にはならないように注意


このように、保険会社からいったん治療の打切りを打診されても、ある程度伸ばすことができる場合もあります。

ただ、治療費が払われるのは症状固定時までが原則となります。

あまり長々と治療を続けると、後々に、「治療が長引きすぎている。症状固定はもっと早かったはずだ。払いすぎた治療費は返還してほしい」などと言われることもあります。

治療期間は長ければ長いほど良いというものではないので、注意してください。


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