以前、私のツイッターでもあげた内容(昨年9月18日)ですが、東京23区内の弁護士数についてまとめてみようかと思います。
調査方法
調査日:平成27年3月19日
調査方法:日弁連の弁護士検索において、都道府県を「東京都」とし、市区町村欄に各区を入れて検索する方法
なお、この調査方法では、弁護士登録自体はしているものの、弁護士としての活動自体はすでにされていない方も人数に含まれてしまっていますので、ご注意ください。
東京23区内の弁護士数
弁護士数順位 | 23区 | 弁護士数 | 変動(2014年9月18日比) |
1位 | 千代田区 | 5981人 | +230人 |
2位 | 港区 | 4738人 | +223人 |
3位 | 中央区 | 2017人 | +80人 |
4位 | 新宿区 | 1417人 | +55人 |
5位 | 渋谷区 | 501人 | +19人 |
6位 | 豊島区 | 333人 | +40人 |
7位 | 文京区 | 247人 | +6人 |
8位 | 世田谷区 | 149人 | -2人 |
9位 | 杉並区 | 111人 | -6人 |
10位 | 目黒区 | 97人 | +4人 |
10位 | 品川区 | 97人 | +5人 |
12位 | 台東区 | 93人 | +1人 |
13位 | 中野区 | 82人 | +4人 |
14位 | 大田区 | 80人 | +3人 |
15位 | 足立区 | 68人 | +6人 |
16位 | 墨田区 | 61人 | +4人 |
17位 | 江東区 | 58人 | +2人 |
18位 | 練馬区 | 52人 | +4人 |
19位 | 北区 | 32人 | +2人 |
20位 | 板橋区 | 28人 | -1人 |
21位 | 荒川区 | 24人 | +2人 |
22位 | 江戸川区 | 19人 | +4人 |
23位 | 葛飾区 | 18人 | -1人 |
感想と若干の解説
東京23区内の弁護士数は非常に偏っていますね。
東京都内の弁護士数は1万6917人ですが、うち1万2736人が千代田区、港区、中央区にいることになります。
つまり、東京都の弁護士の約75%がトップ3の区に集中していることとなります。
ちなみに、大阪府の弁護士数は4236人、兵庫県が854人、京都府が696人、三重県が178人、奈良県が167人、滋賀県と和歌山県が142人となっていますので、近畿地方の弁護士数(計6415人)をあわせても及びません。
日本の弁護士数3万6481人のうち、約34.9%が千代田区、港区及び中央区にいることになります。
なんでこんなに集中しているかというと、単純に、裁判所や弁護士会館が近いからというのが大きな理由の一つでしょう。
弁護士は裁判所に出廷することが多いですが、毎回、1時間も2時間も移動時間に費やすのがもったいない、移動に費やす時間があるなら仕事にあてたい、というのは首肯できます。
また、日本最大級のオフィス街があるというのも理由の一つでしょう。
独立を検討している弁護士は、区の弁護士数以外にも注意
弁護士の競争は激しさを増しています。
独立を検討している弁護士のなかには、それほど競争が激しくない地域で独立を検討する方もいるでしょう。
しかし、単純に人口だけに着目するのは要注意です。
これが歯医者に行くというのであれば、わざわざ遠くの歯医者まで行かずに、近くの歯医者ですませるという人は多いでしょう。
しかしながら、一般人が弁護士に依頼する機会というのは、そうそうありません。
中には一生弁護士と縁がないという人もいるでしょう。
このように、弁護士に相談・依頼するというのは、人生でも非常に特別なことであることが多く、また、人生を左右しかねない、大きな問題であることも多いでしょう。
このような大事な問題を相談する相手としては、「とりあえず近い弁護士に相談してみよう」ではなく、「多少遠くても優秀な弁護士に相談したい」と思う人は多いでしょう(もちろん、問題の重大性がよくわかっておらず、とりあえず近くの弁護士に相談してみようという人もいます)。
東京都内は、公共交通機関が非常に発達しており、ちょっと足を伸ばして、違う区の弁護士に相談に行く、ということは容易です。
23区内で独立を検討する際には、単純に地域の人口と弁護士数で考えるのではなく、少なくとも、地域人口の50%は違う区の弁護士に相談しにいくと思ったほうが良いのではないでしょうか。