【ご質問】
重心動揺計とは何ですか?
【ご回答】
身体の平衡機能の検査手法の一つです。
静的平衡機能を精密に解析します。
めまいや平衡機能の異常が生じている場合に、有効と考えられる検査手法ですが、欠点もあります。
重心動揺計とは
立った状態で、重心を前に傾けると、体重が足のつま先のほうに集中しませんか。
また、後ろに傾けると、かかとに体重が集中するでしょう。
重心動揺計とは、簡単にいうと、このような足底の圧力を計測する検査機器です。
めまいが生じると、めまいの仕方によって足底の圧力も変化するので、この検査によって、どのようなパターンに該当するかがわかる可能性があります。
検査では、直立姿勢で、眼を閉じた状態、眼を開けた状態のそれぞれ、重心動揺図、軌跡長、重心動揺免責、ロンベルグ率などを検査することになるでしょう。
重心動揺計の利点
重心動揺計は、他覚的な検査手法です。
そのため、重心動揺計で異常が確認され、それが交通事故での障害部位に対応している場合には、説得力があると考えられます。
重心動揺計の欠点
交通事故の被害にあったため、めまいや平衡機能障害が起こっている場合には、重心動揺計は有効な検査手法と考えられます。
しかし、重心動揺計は、たとえば、むち打ちになった場合には、むち打ち由来の重心動揺だけを計測するということはできません。
高齢者の方だと、膝に痛みがある方もいるでしょう。
このような方の場合には、膝の痛みによって、重心が動揺することがあるでしょう。
また、脊椎の変形や運動機能の低下がある場合も同様です(筋肉が弱まっているために動揺するなど)。
そのため、高齢者の方など、交通事故由来以外の重心動揺の要因を抱えている方の場合には、交通事故由来のもの以外の要因が、どうしても加わってしまうため、評価が困難になります。
電気眼振図検査も
交通事故のため、めまいや平衡機能障害がある方の場合には、電気眼振図検査も有効と考えられます。