【ご質問】
健康保険を使って、保険診療を受けたいと考えていますが、加害者が誓約書を書いてくれません。どうすれば、健康保険を利用できますか?
【ご回答】
誓約書がなくても、健康保険は使えます。
窓口で断られる場合には、きちんと説明し、場合によっては、弁護士と一緒に窓口に行って、誓約書は必要ないことを説明すると良いでしょう。
交通事故の被害者が、国民健康保険や健康保険を使って治療を受けようとする際、市区町村や保険組合等から、「誓約書を提出してください」と言われることがあります。
しかしながら、この「誓約書」は、交通事故の被害者ではなく、加害者が記入するものです。
すると、交通事故の加害者が、「こんなものは書かない」と言った場合は、保険診療を受けることはできないのでしょうか。
それどころか、ひき逃げ事案など、加害者がどこの誰かもわからないような場合には、「書いてくれ」とお願いすることもできません。
このような場合に、交通事故の被害者は、国保や健康保険等を使って治療を受けることができないのでしょうか。
誓約書は、必ずしも必要ではない
第三者行為による傷病届を提出するにあたって、「誓約書」を提出するよう要求する保険者は多いですが、実は、「誓約書」の提出は必須ではありません。
厚生労働省が「犯罪被害や自動車事故等による傷病の保険給付の取扱いについて」(平成23年8月29日・保保発0809第3号・保国発0809第2号・保高発0809第3号)という通達を出しており、そこでは、「誓約書があることは、医療保険の給付を行うために必要な条件ではないことから、提出がなくとも医療保険の給付は行われます」と明記されています。
市区町村等の窓口で、誓約書がないから、保険診療は受けられない、と言われたらこのような通達を示して、説得することが考えられます。