交通事故サポートよくある質問(Q&A)

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  4. 自賠責に保険金請求をする際、過失相殺はされますか?(自賠責保険金の減額要素)

アウル東京法律事務所で、交通事故や事務所全般に関することでよくご質問(相談)を受ける内容とその回答です。

自賠責基準自賠責に保険金請求をする際、過失相殺はされますか?(自賠責保険金の減額要素)


【ご質問】


自賠責に保険金請求をする際、過失相殺はされますか?(自賠責保険金の減額要素)


【ご回答】


被害者の過失が軽過失であれば減額されませんが、被害者に重大な過失があれば、減額されます。
具体的には、次の表のとおり、被害者の過失が7割以上の場合に減額されます。



減額適用上の
被害者の過失割合
減額割合
後遺障害又は
死亡に係るもの
傷害に係るもの
7割未満
減額なし
減額なし
7割以上8割未満
2割減額
2割減額
8割以上9割未満
3割減額
2割減額
9割以上10割未満
5割減額
2割減額

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表適用上の注意

・積算した損害額が保険金額に満たない場合→積算した損害額から、上記の表に基づいた減額を行う。

・積算した損害額が保険金額以上となる場合→保険金額から、上記の表に基づいた減額を行う。

※自賠責保険には、限度額があるためです。
たとえば、自賠責保険では、傷害部分は120万円が限度額となります。
傷害部分について、損害額が計100万円の場合、その2割に当たる20万円が減額され、80万円が支払われます(過失割合20:80のケースを想定)。
傷害部分について、損害額が計200万円の場合、これを2割減額すると、160万円になります。
この場合、160万円が支払われるわけでも、自賠責の限度額の120万円が支払われるわけでもありません。
限度額である120万円から2割減額した、96万円の限度で支払われることとなります。

ただし、傷害による損害額(後遺障害及び死亡に至る場合を除く)が、20万円未満の場合はその額とし、減額により20万円以下になる場合は20万円となります。


任意保険や裁判所に請求する場合との違いに注意

自賠責保険では、このように、被害者に軽過失があっても減額されません。

また、被害者に重大な過失があっても、過失割合どおりには相殺(減額)されません。
(たとえば、過失割合が30:70でも、被害者の過失の分、7割が減額されるわけではなく、減額されるのは2割のみです)

これは、自賠責保険が、交通事故の被害者の救済を目的としたものだからです。

任意保険会社や加害者に対して、自賠責保険の範囲を超えて損害賠償請求をする際は、通常通りの過失相殺が主張されるでしょうから、注意してください。
(自己過失が8割なら、そのまま8割減額)


過失割合が0:100の場合はどうなるのか

ここで賢明な読者はお気づきでしょうが、上記表は過失割合9割以上10割未満までとなっています。

つまり、自己過失が10割の場合は、記載されていません。

これは、自己過失が10割の場合は減額が行われない、というのではなく、単に、自己過失が10割の場合は、自賠責保険からは1円もお金が支払われないというだけなのです。


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