【ご質問】
アキレス腱反射テストは、後遺障害の立証にあたって重要な検査になりますか?
【ご回答】
アキレス腱反射テストは、深部腱反射テストの一種です。
反応が消失または減弱している場合には、S1・S2の神経根の異常が疑われます。
異常が認められれば、後遺障害の立証にあたっても、有意な資料になり得ると考えられます。
アキレス腱反射とは
アキレス腱反射とは、文字通り、足のアキレス腱の部分をゴムのハンマーでたたき、その反応を見る検査方法です。
正常な場合には、足が底屈します。
底屈というのは、足関節を伸ばす行為です。簡単に説明すると、踵を上げて、つま先立ちになるような状態です。
もっとも、腱反射だけで、つま先立ちになるほどの反応は出ないでしょうから(体重を押し返すくらいの反応はでないのが一般的ではないでしょうか)、膝立ちの状態で行うのが一般的でしょうか。
アキレス腱反射はどの神経根につながっている
アキレス腱反射は、仙髄のS1・S2が反応することで起こります。
そのため、アキレス腱反射が消失ないし減弱しているような場合には、S1・S2神経根の異常が疑われます。
なお、L2・L3・L4は、膝蓋腱反射で確認します。
アキレス腱反射は有効な資料になり得るか
アキレス腱反射は、腱の反射を確認する検査なので、比較的客観性が高い検査方法ではないかと考えられます。
そのため、後遺障害の申請にあたっても有用な資料になり得ると考えられます。
もちろん、他の深部腱反射テストと同様、その部分に意識を集中させていると反応が出にくくなりますし、また、腱反射低下の原因は何も神経根の異常だけには限りません(甲状腺機能低下症などが原因で反応が減弱・消失することがありえます)。
しかしながら、症状や、これまでの傷病歴、他の検査結果などと組み合わされば大きな説得力を生む証拠の一つになり得るでしょう。