【ご質問】
むち打ちによって、腕や指に痛み・しびれが出ることはありますか?
【ご回答】
あり得る症状です。
交通事故(むち打ち)の相談をお受けする中でも、比較的多くみられる症状です。
神経根症状や胸郭出口症候群など原因として考えられますので、後遺障害の等級認定のためには、適切な検査を受けるべきです。

データから見る、むち打ちによるしびれ
文献(遠藤健司『むち打ち損傷ハンドブック第2版』44頁)によると、むち打ち患者のうち、
「上肢のしびれ感を24~43%で訴えており、ほとんどが1週間以内に発症していた」とされるデータがあります。
上肢のしびれ・痛みの原因
このような痛みやしびれが生じる原因としては、まず、神経根症状が考えられます。
頚椎の神経根は、その部位に応じて、神経を支配しています。
たとえば、上肢については、C5~C8の神経根が対応しています。
すると、交通事故のため、大きく頭が揺さぶられ、椎間板ヘルニアになったりすると、その神経根に対応する部位にしびれや痛みといった神経症状が出現するのです。
このほか、胸郭出口症候群等も原因として考えうるところです。
後遺障害の等級認定を獲得するには
後遺障害の等級認定を獲得するためには、様々な検査を受けることが肝要と考えられます。
まず、第一に考えられるのはMRIです。
これにより、椎間板ヘルニアが発生していれば、それを画像で確認することができるでしょう。
また、神経根症状が疑われる場合には、スパーリングテストなどの神経根症状誘発テストも有効でしょうし、自分の意思でごまかすことができない深部腱反射テストなどの神経学的テストを受けておくべきでしょう。
また、胸郭出口症候群が疑われる場合には、チネル徴候が陽性か否か、アドソンテストなどの胸郭出口症候群誘発テストで陽性反応が出るかを確認すると良いでしょう。