交通事故サポートよくある質問(Q&A)

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  4. 交通事故のむち打ちを原因とする、バレー・リュー症候群について教えてください

アウル東京法律事務所で、交通事故や事務所全般に関することでよくご質問(相談)を受ける内容とその回答です。

頚椎捻挫(むち打ち)・腰椎捻挫交通事故のむち打ちを原因とする、バレー・リュー症候群について教えてください


【ご質問】


交通事故のむち打ちを原因とする、バレー・リュー症候群について教えてください


【ご回答】


バレー・リュー症候群とは、「椎骨神経(頚部交感神経)の刺激状態によって生じ、頭痛、めまい、耳鳴、視障害、かすれ声、首の違和感、摩擦音、易疲労性、血圧低下などの自覚症状を主体とするもの」と定義されています(栗宇一樹・古笛恵子編『交通事故におけるむち打ち損傷問題 第二版』28頁)。

ただし、その発生原因については不明な点が多く、心因性の影響も指摘されるところです。

そのため、後遺障害の等級認定にあたっても、困難を伴うことがあります。


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なぜ、バレー・リュー症候群という名称なのか

フランスの神経学者である『バレー』が1925年にこのような症状を後部頸交感神経症候群として発表し、その後、1928年にバレーの門下生である『リュー』が、さらに症例を集めてまとめたためです。

単に発表者の名前がつけられているだけです。


バレー・リュー症候群の症状

バレー・リュー症候群の症状としては、頭痛やめまい、耳鳴、視障害、かすれ声、首の違和感、摩擦音、易疲労性、血圧低下などの不定愁訴となります(バレー・リュー症候群だからこのような症状が生じるというより、むしろ、このような不定愁訴の総称として、バレー・リュー症候群という傷病名が使用されているように思われます)。

症状の特徴としては、

・頭痛:後頭部に最も強い痛みを感じる

・めまい:頭を回転した瞬間に突然生じるもの。前庭器官の障害による症状を伴わないのが通常

・視障害:客観的な視力低下が認められず、眼科で診察を受けると、眼精疲労が原因ではないかと指摘されることが多い

といったものがあげられます(遠藤健司『むち打ち損傷ハンドブック第2版』64頁参照)。


バレー・リュー症候群の原因

なぜ、このような症状が発生するのか、そのメカニズムについては、いまだ定説は確立されていません。

バレーは、頚部交感神経の過緊張をあげていますが、ほかに、脳幹障害が原因とするものや、末梢前庭・内耳障害説などもあります。

このことが、後述するように、後遺障害の等級認定にあたって、大きな問題となっています。


後遺障害等級認定上の問題

むち打ちで認定されうる等級は、一般的12級13号もしくは14級9号です。

区別としては、医学的に証明可能なものが12級、医学的な説明が可能であるもの14級となると考えられます。

しかしながら、バレー・リュー症候群は、その発生メカニズムについて未だに不明な上、心因性の影響も指摘されることがあるため、医学的な証明は非常に困難といえます。

そのため、後遺障害等級としては、12級の認定は困難ではないかと考えられます(弁護士の経験上も、バレー・リュー症候群で12級を獲得できたケースはありません)。


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