運動療法(理学療法)について
理学療法には、大きく分けて、物理的刺激を与える物理療法と運動療法とがあります。
ここでは、運動療法について若干紹介していきますが、自身の判断では行わず、必ず医師と相談のうえ実施するようにしてください。
運動ができない理由を分析して、その原因に応じた両方を行うことが重要と考えられるからです。
なお、むち打ちの物理療法もご参照ください。
なぜ、運動を行うのか
むち打ちの患者が、運動療法を行う意義としては、身体を動かさないでいると、関節が拘縮してしまうおそれがあることが理由の一つとしてあげられます。
運動療法の種類
運動療法の一部について紹介していきますが、運動療法も症状に応じて、有効な治療法を選択し、かつ、適切な方法に実施するべきと考えられるので、医師と相談した上で、有効な療法を正確に実施されてください。
・可動域訓練
むち打ちになると、痛みのため、身体を動かせる範囲が狭まることがあります。
放っておくと、筋肉や関節の拘縮をまねくおそれがあるため、動かせる幅をじょじょに広くできるような訓練をすることがあります。
新たな痛みを誘発しない程度に行う必要があるとされています。
・筋力強化
たとえば、むち打ちのため、片方の腕や足だけに痛みが出ることがあります。
このような場合、痛みのあるほうの腕などは、無意識のうちに、あまり使わないようになるでしょう。
筋肉は使わずにいると、弱く細くなっていきます(そのため、後遺障害の立証の際には、筋萎縮検査を行うことがあります)。
このような筋委縮を防ぐため、筋力強化を行うことがあるとされています。
・マッケンジー療法
「スウェーデンで行われた無作為研究によれば、急性むち打ち損傷の治療は、早期モビリゼーション及び積極的なMcKenzie療法が有効であると述べられている」(遠藤健司『むち打ち損傷ハンドック第2版』124頁)。
このような見解もあるようです。気になられたら、医師と相談の上、実施されるかご判断ください。