【ご質問】
膝蓋腱反射テストは、後遺症を立証するにあたって重要な検査方法になりますか?
【ご回答】
膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)は、深部腱反射テストの一種です。
深部腱反射は、文字通り、反射を確認する検査方法ですので、客観性の高い(したがって重要性も高い)検査方法と考えられます。
とくに、MRIでL2、L3、L4に椎間板ヘルニア等の異常所見が確認される場合には、これと合わさって、後遺症の存在を立証する強力な証拠になり得ると考えられます。
膝蓋腱反射とは
膝蓋腱反射とは、大腿四頭筋反射ともいい、膝頭の真下にある膝蓋腱をゴムのハンマー等でたたいて反応を見る検査方法です。
脚気の検査といえばわかりやすいでしょうか。
膝の皿の下にあるくぼみ部分をたたくと、通常は大腿四頭筋が収縮し、足が上がります。
これに対して、L2、L3、L4の神経根に異常がある場合には、この反応が消失したり、減弱することがあります。
膝蓋腱反射はどの部分の検査方法か
既に、上記で述べていますが、膝蓋腱反射はL2、L3、L4に対応しています。
そのため、MRI撮影をしたところ、腰椎の椎間板ヘルニアがこのような部位にみられた場合には、膝蓋腱反射テストも受けておいたほうが良いでしょう。
膝蓋腱反射テストは重要か
膝蓋腱反射テストの検査結果は、後遺障害の等級認定をする上で、重要な検査方法ではないかと考えられます。
なぜなら、反射をみる検査方法ですので、客観性が高いと考えられるからです(もっとも、検査部位に意識を集中させていると、腱反射が出現しにくくなるので、完全に客観的とまではいえませんが、意識を集中させないよう、ジェンドラシック手技を用いるなどして、意識を集中させないようにする方法も考えられます)。
そのため、MRIで異常が見つかった場合はもちろん、MRIで異常が見つからなくとも、大腿部に痛み・しびれ等が残存しており、神経根症状が疑われる場合にも、受けておいたほうが良いのではないでしょうか。