【ご質問】
トレムナー反射とは、何ですか?
【ご回答】
トレムナー反射とは、神経学的検査の手法の一つです。
病的反射と呼ばれるもので、せき髄などの中枢神経に障害がある場合には、異常な反射が見られます。
このほかの病的反射として、ホフマン反射やワルテンベルク徴候、バビンスキー反射等があげられます。
トレムナー反射の検査手法
トレムナー反射は、中指を伸ばした上で(手の甲側に90度くらい曲げさせる)、伸ばした中指の腹を下から上にはじくことで行います。
中枢神経に障害がある場合には、拇指(親指)が内側に曲がります。
トレムナー反射の問題点
トレムナー反射は、ホフマン反射と同様、健常者でも病的反射が認められることがあります(つまり、異常がなくても、起こることがある)。
そのため、トレムナー反射が陽性でも、絶対にせき髄障害や錐体路障害があるとはいえず、補助的な検査手法にとどまるといえるでしょう。
トレムナー反射は、むち打ちや頚椎捻挫で有効か
これも、ホフマン反射の場合と同様、有効とはいえないと考えられます。
なぜなら、むち打ちや頚椎捻挫で後遺障害の等級認定をねらうのは、末梢神経障害です。
これに対して、トレムナー反射は、中枢神経障害の確認方法だからです。
むしろ、トレムナー反射が陽性の場合には、せき髄障害等を疑うべきと言えます。