【ご質問】
ワルテンベルク反射とは何ですか?
【ご回答】
病的反射の一種です。
ワルテンベルク反射が陽性の場合には、錐体路障害が疑われます。
ほか、ワルテンベルク徴候という検査方法もあります。
ワルテンベルク反射の検査方法
簡単に解説すると、以下のような検査です。
まず、被検査者の手のひらを開かせ、上に向かせます。このとき、指は少し曲げる程度で大丈夫です。
この状態で、被検査者の手指掌側をゴムのハンマーでたたきます。
このとき、親指が内転屈曲すると陽性となります。錐体路障害が疑われるので注意が必要です。
ワルテンベルク徴候の検査方法
これも、簡単に説明すると、以下のような検査です。
親指以外の4本の指を曲げた状態で、検査者と指を引っ張り合います。
このとき、親指が内転屈曲すると、陽性です。ワルテンベルク反射と同様、錐体路障害が疑われます。
ワルテンベルク反射・徴候はむち打ちの後遺障害認定にあたって重要か
ワルテンベルク反射もワルテンベルク徴候も、病的反射の一種ですが、いずれも錐体路障害のような、中枢神経障害の有無を検査する方法です。
これに対して、むち打ちや頚椎捻挫での後遺障害の等級認定をねらう場合には、末梢神経障害の存在を立証していくことになるのが一般的です。
つまりは、ホフマン反射やトレムナー反射と同様、末梢神経障害の立証手段としては、意味はうすいと考えられますので、重要とは言えないでしょう(もちろん、中枢神経障害を立証するうえでは重要な検査方法ですが)。