交通事故損害賠償の知識

  1. 交通事故の弁護士相談「アウル東京法律事務所」
  2. 交通事故 損害賠償の知識
  3. 加害者に対して請求できるもの
  4. 自動車の評価損(交通事故の物損に関する解説)

加害者に対して請求できるもの

自動車の評価損(交通事故の物損に関する解説)


被害を受けた自動車を修理した場合(詳細は自動車修理費の解説ページをご覧ください)、事故車という扱いになることがあります。
事故車という扱いになってしまうと、その自動車を売る際に、価値がいくらか下がってしまうことがあります。
このような、被害自動車の商品価値の下落を、評価損(もしくは格落ち損)といいます。

評価損が請求できる場合

残念ながら、評価損は、どのような場合でも請求できるというものではありません。
判例の傾向としては、

・国産車は初年度登録から3年(走行距離4万キロ程度)
・外国車または国産人気車種で5年(走行距離で6万キロ程度)

を経過すると、評価損が認められにく傾向にあるようです(北河隆之『交通事故損害賠償法』弘文堂・平成23年4月15日・291頁参照)。
そのため、どのような車種でも評価損が認められる傾向にあるわけではないので注意が必要です。

このほか、評価損はあくまで、被害車両が事故車という扱いを受けた場合に、商品価値が下落することの損害です。
そのため、全損の場合には認められず、修理が必要な場合のみ請求可能ですので注意が必要です(全損の場合は、買替えが前提のため)。

評価損の金額

評価損の金額は、修理費を基準にして、修理費の10%~30%程度とする裁判例が多いようです。
このほか、事故当時の被害車両の時価を基準に認定した裁判例や、財団法人日本自動車査定協会等の査定等を考慮して認定した裁判例もあります。

評価損は、損害の一種ですので、交通事故の被害者が立証していかなくてはいけません。
交渉では、保険会社はなかなか認めてこない項目の一つ(弁護士の経験上)である上、あまり大きな金額にはならない項目です。
そのため、請求するか、するとしてもどこまでやるか(訴訟までするか)、かなり難しい問題をはらんでいます。

費用対効果も視野にいれて、適切な選択をしていくべきでしょう。


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