交通事故損害賠償の知識

  1. 交通事故の弁護士相談「アウル東京法律事務所」
  2. 交通事故 損害賠償の知識
  3. 障害が残った部位に応じた後遺障害
  4. 末梢神経障害(むち打ちなどによって生じる部分的な痛みや痺れなど)

障害が残った部位に応じた後遺障害

末梢神経障害(むち打ちなどによって生じる部分的な痛みや痺れなど)


末梢神経とは、中枢神経系(脳やせき髄)からのびる神経を言います。
脳髄神経と自律神経とに区別できます。
交通事故でよく起こる、むち打ちや頸椎捻挫事案では、この末梢神経障害が生じることがあります。

1.末梢神経障害の症状

末梢神経障害の症状としては、以下の3つの症状が考えられます。

・感覚障害
→皮膚に痛みやしびれが生じる症状です。
 弁護士の経験上、むち打ちや頸椎捻挫の案件では、このような症状の相談を受けることが多いです。
 損傷したと思われる神経支配領域(頚椎のC3/4など)と感覚障害が生じている領域(首や上腕部など)が一致している場合には、神経損傷により、このような感覚障害が発生していることを証明する材料の一つになるでしょう。

・運動障害
→筋力が低下したり、筋肉が委縮したりする症状です。

・自律神経障害
→自律神経とは、交感神経と副交感神経とからなります。
 交感神経に障害が起こると、発汗機能に障害が生じ、皮膚が乾燥する状態になることがあります。
 また、交感神経が遮断されると、血管運動障害が生じ、その部位の皮膚が紅潮して温度が上昇することがあります。

2.認定されうる後遺障害等級

後遺障害等級は12級か14級が認定される可能性があります。

・「局部に頑固な神経症状を残すもの」12級13号
→医学的に『証明』しうる神経系統の機能または精神障害を残すものが、認定される可能性があります。

・「局部に神経症状を残すもの」14級9号
→医学的に『説明』可能な神経系統または精神障害に係る所見があると認められるものが、認定される可能性があります。

※カウザルギー、RSD、CRPS、繊維筋痛症については、特殊な性状の神経症状のため、別基準で認定されます。

3.「医学的に証明」(12級13号)するには、どうすればよいか

医学的に証明可能なものが12級として認定される可能性があります。
これは、医学的な検査の結果から判断されることとなります。
医学的な検査手法としては、以下のようなものが考えられます。
(全部をする必要はありません。症状の出ている部位や症状の内容に応じて、必要な検査をすべきです)

・画像診断(レントゲン、CT、MRI、脳血管撮影)
・脳波検査
・深部腱反射検査
・病的反射検査(ホフマン検査、トレムナー検査、バビンスキー反射、膝クローヌス、足クローヌスなど)
・スパーリングテスト
・ジャクソンテスト
・筋電図検査
・神経伝達速度検査
・徒手筋力検査(MMT)
・筋委縮検査

4.むち打ち事案の慰謝料・逸失利益について


むち打ち事案では、他のケガと比べて、慰謝料や逸失利益が制限される傾向にあります。
他覚症状がない場合には、傷害慰謝料(入通院慰謝料)について、別表Ⅱという低い基準で算定されることとなります。

また、逸失利益についても、労働能力喪失期間が67歳までではなく、12級で10年程度、14級で5年程度に制限する例が多くみられるようです。

もっとも、だからといって、保険会社から出された示談書にすぐにサインをしてしまうのは適切ではありません。
このようなむち打ち事案でも、弁護士に依頼することにより、示談金額が増額される可能性は十分にあります。

示談書にサインをしてしまう前に、まずはご相談ください。
アウル東京法律事務所では、交通事故の被害に関するご相談は無料で承っておりますし、電話相談も設けております
お気軽にご相談ください。

5.むち打ちに関する解説

アウル東京法律事務所では、むち打ちや頸椎捻挫事案だからといって、お受けしないということはありません。
むち打ち・頚椎捻挫相談室と題して、むち打ち・頚椎捻挫について重点的に解説しております。
よろしければ、こちらもご覧ください。


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