【ご質問】
サーモグラフィーは、後遺障害認定を獲得するために有効ですか
【ご回答】
サーモグラフィーで異常所見が確認されても、単体でどこまで証明力があるか、疑問があります。
しかしながら、他の検査結果と組み合わさることで、有用性を発揮できるのではないかと考えられます(補助診断としての効果)。
サーモグラフィーとは
サーモグラフィー(Thermography)とは、体内の熱分布を図(画像)としてあらわす検査方法です。
これにより、左右の腕で、体温差があれば、それがわかります。
むち打ち等で、なぜ体温が下がるのか
むち打ちや頚椎捻挫になると、右腕または左腕の一方にのみ、痛みやしびれが生じることがあります。
痛みやしびれによって、皮膚血流が減少している場合には、その部分だけ低温になっていることがあります。
サーモグラフィーの効果とその限界
上述のように、サーモグラフィーを実施した結果、左右の腕の体温差がわかります。
しかしながら、健康な人でも、体表温度に左右差は存在しますので、体温差が生じている原因が神経症状によるものなのかどうか、というのは、サーモグラフィーだけでははっきりしません。
そのため、サーモグラフィーだけを証拠として、後遺障害の申請をしても、等級認定がされるかというと疑問に思われます。
しかしながら、サーモグラフィーは、補助的な資料としては有用ではないかと考えられます。
他の検査(たとえば、深部腱反射や筋萎縮検査、針筋電図等)で、異常所見が認められるような場合に、サーモグラフィーでも異常が確認されたとなると、他の検査結果の証明力の増強が期待できます。