1.傷害慰謝料(入通院慰謝料)
任意保険基準
保険会社が示談交渉をする際、『任意保険基準』という言葉が使われていることがあります。『任意保険基準』というからには、これが妥当な金額なんだろう、これ以上金額は増えないんだろう、と思われる方も多いでしょう。しかし、一般的にそれは間違いです。『任意保険基準』というのは、あくまでも、その保険会社が設けている基準に過ぎません。ただの内部基準に過ぎませんので、詳細は不明です。被害者の方も、裁判所も、このよくわからない任意保険基準に拘束されることはありません。また、任意保険基準で計算された慰謝料は、裁判基準と比べ、低く計算される場合が多いように思われます。弁護士にお任せいただくことにより、当初、提示された慰謝料よりも増額されることが多いです。任意保険基準という言葉を見たら、それに納得するのではなく、増額可能性があるので、弁護士への相談を検討されてはいかがでしょうか。
1日4,200円
保険会社が傷害慰謝料(入通院慰謝料)の計算根拠を提示する際に、
1日4,200円×治療期間
1日4,200円×実通院日数×2
という計算式を用いてくることがあります。提示された被害者のほうとしては、なぜ4,200円なのか疑問に思いつつ、実通院日数が2倍されているので、お得感を感じてしまうこともあるでしょう。
でも、これは『自賠責保険』の慰謝料計算基準です。自動車を運転する人であれば、強制保険である自賠責保険と任意保険の2種類に加入されている方が多いでしょう。自賠責保険と任意保険は、いずれも主に加害者が負う損害賠償責任を補填するための保険ですが、2つも加入するのにはちゃんとした理由があります。それは、自賠責保険には上限があり、法律上の損害賠償責任をまかないきれないことが多いからです。示談交渉の際に、傷害慰謝料が1日4,200円とされていたら、自賠責基準で計算されているおそれがありますので、弁護士への相談を検討されてはいかがでしょうか。